入湯税とは?なぜ取られる・いくら払う・温泉に入っていない場合の扱い

温泉宿の精算書に「入湯税 150円」と書かれていて、これは何の税なのかと気になったことはありませんか。宿泊料金には含まれておらず、当日その場で足される形になるので、余計に引っかかります。しかも大浴場に一度も入っていないのに請求されたとなると、なおさらです。

この記事は、総務省の地方税制度のページ、財務省の税のQ&A、e-Gov法令検索の地方税法の条文を2026年8月22日に実際に開いて確認し、書かれているとおりにまとめたものです(確認したページのURLは記事末尾に記載しています)。

先に結論
  • 入湯税は市町村の目的税。地方税法は「鉱泉浴場所在の市町村は、目的税として、入湯税を課するものとする」と定めている(第5条第4項)
  • 金額は1人1日150円が標準。市町村がこれと違う額を定めることもでき、宿泊客と日帰り客で分けている例もある
  • 集めるのは宿。旅館等が特別徴収義務者として入湯客から預かり、市町村に納める。だから前払いしても現地で払うことになる
  • 課税の対象は「鉱泉浴場における入湯行為」。入っていない場合の扱いは市町村の条例と施設の運用によるため、その場で確認する
目次

入湯税は「温泉に入ったこと」にかかる税

まず根拠になる条文です。地方税法第5条第4項は、市町村税の種類を並べたうえで、こう書いています。

鉱泉浴場所在の市町村は、目的税として、入湯税を課するものとする。

地方税法 第5条第4項(e-Gov法令検索)

「課することができる」ではなく「課するものとする」と書かれています。温泉地の市町村にとって、入湯税は取るか取らないかを選べるものではないという書き方です。ほかの市町村税(都市計画税など)が「課することができる」となっているのと比べると、位置づけの違いがはっきりします。

総務省の「地方税制度|入湯税」のページには、この税の性格が書かれています。

入湯税は、入湯施設の利用と市町村の行政サービスとの関連に着目し、鉱泉浴場所在の市町村が課する目的税です。

総務省「地方税制度|入湯税」

総務省の記載を項目で整理
(スマホは横スクロール可)

スクロールできます
項目内容
課税団体鉱泉浴場所在の市町村
課税客体鉱泉浴場における入湯行為
税率1人1日150円を標準とする
徴収方法旅館等が特別徴収義務者として、入湯客から徴収し市町村に納入
使途環境衛生施設の整備/鉱泉源の保護管理施設の整備/消防施設その他消防活動に必要な施設の整備/観光の振興(観光施設の整備を含む)
※総務省「地方税制度|入湯税」(2026年8月22日確認)の記載をもとに作成

温泉に入っていないのに請求されるのはなぜか

この記事にたどり着く方がいちばん知りたいのはここだと思います。整理すると、次の3点になります。

  • 課税の対象は入湯行為。条文のうえでは、温泉に入ることに対してかかる税です
  • 実際の運用は市町村の条例で決まる。誰にいくらかけるか、どんな場合に免除するかは、条例に書かれています
  • 宿は徴収する側であって、決める側ではない。総務省の記載どおり、旅館等は特別徴収義務者として預かって納めます

温泉付きの宿に泊まると、入浴の有無にかかわらず宿泊料金と一緒に案内されることがあります。入らない予定がはっきりしているなら、チェックインの時点で施設に確認するのが現実的な対応です。精算後に言うより、先に聞くほうが話が早くなります。

この記事でお伝えできないこと

免除の条件は市町村の条例ごとに異なります。「入浴しなければ必ず免除される」と言い切れる全国共通のルールはありません。本記事は国の資料に書かれている枠組みを紹介するものです。

いくらかかるのか:150円は「標準」であって固定額ではない

150円という数字だけが独り歩きしがちですが、財務省のQ&Aはこう説明しています。

入湯税の額は、市町村によって様々です。法律上は、1人1日150円を標準としていますが、市町村ごとに、これとは違う金額を定めることもできます。また、宿泊客と日帰り客とで額が変わる場合もあります。

財務省「温泉旅館に泊まったときに税金(入湯税や宿泊税)がかかりました。あれはどういう税ですか?」

つまり泊まりは150円、日帰りは50円のように分けている市町村があります。「前に行った温泉と金額が違う」と感じたときは、間違いではなくその市町村の条例の違いだと考えてください。

なぜ現地で払うのか

予約サイトで前払いしても、入湯税だけ現地で請求されるのは、納める人が宿だからです。旅館等が特別徴収義務者として入湯客から預かり、市町村に納めます。予約サイトは税を預かる立場ではないため、表示価格の外側に出ます。

楽天トラベルの公式ヘルプでも、予約金額に含まれない費用の例として入湯税が挙げられ、「1日1人あたり、150円程度(目安)」と案内されています。

宿泊税とはどう違うのか

名前も払い方も似ていますが、別の税です。温泉地に泊まると両方かかることがあります

スクロールできます
入湯税宿泊税
誰の税か市町村税都道府県税・市町村税(自治体が条例で新設)
何にかかるか鉱泉浴場における入湯行為宿泊行為
日帰りでもかかることがあるかからない
金額1人1日150円が標準自治体ごと(定額型と定率型がある)
集める人旅館等(特別徴収)宿泊施設(特別徴収)
※総務省・財務省の記載をもとに作成

よくある質問

子どもにもかかりますか?

年齢による免除を条例で定めている市町村があります(12歳未満を対象外とする例など)。一律ではないため、泊まる市町村の公式サイトで確認するのが確実です。

日帰り入浴でもかかりますか?

かかることがあります。課税の対象が入湯行為なので、宿泊していなくても対象になりえます。財務省のQ&Aも、宿泊客と日帰り客で額が変わる場合があると説明しています。

経費で落とすとき、勘定科目はどうなりますか?

会計処理は会社の規程や税理士の判断によるため、この記事では断定しません。宿が発行する領収書に入湯税として区分して記載されることが多いので、まずは領収書の内訳を残しておくことが実務上の出発点になります。

入湯税に消費税はかかりますか?

宿泊税の課税判定について、楽天トラベルの公式ヘルプは「宿泊料金には消費税、地方消費税、入湯税等の諸税は含みません」と記載しています。入湯税は宿泊料金とは別枠の税として扱われるという整理です。

この記事の出典と確認日

本記事の内容は、以下のページを2026年8月22日に開いて確認した記載にもとづいています。実際の税額と免除の条件は市町村の条例によって異なります。

※本記事は税額を個別に実測したものではありません。金額・免除の条件は市町村ごとに異なり、変更されることがあります。

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この記事を書いた人

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