2人で予約したのに、直前で片方が行けなくなった。部屋はそのまま使うのだから料金は半分でいいのでは——と考えたくなりますが、実際の扱いはそうとは限りません。
むしろ、何もせずに当日を迎えるのがいちばん損になります。ここは感覚ではなく、約款にどう書かれているかを見れば答えが出る話です。
この記事は、国が示すモデル宿泊約款と、じゃらんnetの利用規約を確認し、書かれているとおりにまとめたものです(確認したページのURLは記事末尾に記載しています)。
約款は「宿泊契約の全部又は一部を解除した場合」に違約金を申し受けると定めています。1人分の取り消しも、この「一部」に当たるため対象になりえます。
違約金を免除する規定はありますが、対象は15名以上の団体だけです(別表第2 注3)。2人の予約にこの免除はありません。連絡せずに1人が来なかった場合も、宿泊料金は申し受けると約款12条3項にあります。
そして人数を減らすと1人あたりの単価が上がることがあります。じゃらんnetの規約で「変更前の料金」が守られるのは日数と部屋数の減少だけで、人数はそこに入っていないためです。
まずは予約したプランのキャンセル規定を開いて、期限を確認してください。
「一部の解除」も違約金の対象と書かれている
まず押さえたいのが、約款の言い回しです。ここに、1人分だけ取り消したときの扱いが読み取れます。
当ホテル(館)は、宿泊客がその責めに帰すべき事由により宿泊契約の全部又は一部を解除した場合(略)は、別表第2に掲げるところにより、違約金を申し受けます。
観光庁 モデル宿泊約款 第6条第2項

「全部又は一部」——ここが答えです。2人のうち1人だけ取り消すのは「一部の解除」に当たるため、違約金が発生しうる、という組み立てになっています。
「部屋は使うのだから解除ではない」という理屈は、条文の側では成立しません。契約したのは2人分の宿泊であって、そのうち1人分をやめる以上は一部の解除、という読み方になります。
免除されるのは「15名以上の団体」だけ
実は約款には、一部キャンセルの違約金を免除する規定があります。ただし対象が限られています。
団体客(15名以上)の一部について契約の解除があった場合、宿泊の10日前(その日より後に申込みをお引き受けした場合にはそのお引き受けした日)における宿泊人数の10%(端数が出た場合には切り上げる。)にあたる人数については違約金はいただきません。
観光庁 モデル宿泊約款 別表第2(注)3
つまり「何人かは無料で減らせる」という枠は、15名以上の団体にしか用意されていないということです。一般客(14名まで)の予約には、この免除がありません。「1人くらいなら」という感覚は、約款の側では裏づけられていないわけです。
具体的に読むと、20名の団体なら10%の2名まで違約金なしで減らせる計算になります。ここに人数の下限が「15名以上」と書かれているのは、大人数の予約では欠員が出る前提で組まれているからです。2人の予約は、その前提の外にあります。
黙って来ないのがいちばん損
連絡せずに人数だけ減らすのは、料金の面でも不利です。
当ホテル(館)が宿泊客に客室を提供し、使用が可能になったのち、宿泊客が任意に宿泊しなかった場合においても、宿泊料金は申し受けます。
観光庁 モデル宿泊約款 第12条第3項
部屋を用意した以上、使わなかったとしても料金は請求する、という規定です。連絡していれば違約金の割合で済んだものが、連絡しないと満額になりうる——という差が生まれます。
さらにじゃらんnetの規約は、事前連絡のない不泊を無連絡キャンセルとして扱い、利用停止や会員資格の剥奪などの措置がありうると定めています。金額の話にとどまらず、アカウントごと使えなくなる可能性があるということです。人数が変わったら、まず連絡してください。
料金が「半分」にならない理由
1人分を減らしたのに思ったより下がらない、あるいは逆に高くなることがあります。宿泊料金は1人あたりの単価×人数で組まれていることが多く、2名利用時と1名利用時では単価そのものが違うためです。

部屋にかかる費用は人数が減っても変わりません。清掃も光熱費も同じだけかかります。だから1名利用の単価は2名利用より高く設定されているのが普通で、2人分の半額にはならないのが自然な帰結です。
予約サイト側の規約も、この点を明確に区別しています。
但し、変更内容が、宿泊日数及び部屋数の双方又は一方の減少に限られる場合、当該ユーザーには変更前の利用料金が適用されるものとします。
じゃらんnet宿泊施設等予約サービスご利用規約 第3条
守られるのは「宿泊日数」と「部屋数」の減少だけ。人数の減少はここに入っていないため、変更後の料金が適用されることがあります。予約時より宿の料金が上がっていれば、その上がった単価で計算し直される可能性がある、という意味です。
| やり方 | 何が起きるか |
|---|---|
| 人数変更で減らす | 違約金の対象になりうる。1人あたりの単価が変わることがある |
| 一度取り消して取り直す | 取り消し時点でキャンセル料が発生する場合がある。空室がなければ再予約できない |
| 連絡せずに1人来ない | 宿泊料金は請求されうる(約款12条3項)。無連絡キャンセル扱いのリスクもある |
| まず施設に連絡する | 無料期限内なら手数料なしで直せることが多い。判断はこれが最短 |
4つのうち、確実に不利になるのは3つ目です。迷っている時間があるなら、無料期限が来る前に施設へ連絡する——それだけで選べる手が増えます。
よくある質問
この記事の出典
※モデル宿泊約款の違約金の料率欄は空欄の様式で、実際の割合は宿泊施設が定めます。本記事は特定施設の規定を実測したものではありません。


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