予約サイトを使う前に評判を調べると、口コミサイトや掲示板の書き込みが並びます。ただ、そこにあるのは個人の体験談で、こちらから内容を確かめる手段がありません。同じ宿でも部屋も時期も担当者も違うので、書き込みどうしが食い違うのはむしろ当たり前です。
一方で、誰が読んでも同じ内容が書いてあるものがあります。利用規約・旅行業約款・旅行条件書です。これらは事業者が公開している契約書面で、どの利用者にも同じ条件として適用されます。

そこでこの記事では、るるぶトラベルの公式サイトにある利用規約・旅行業約款・旅行条件書を実際に開いて読み、書かれている内容だけを整理しました。サービスの評価はしません。契約としてどう決まっているかが分かれば、自分の旅行に合うかどうかは自分で判断できます。
るるぶトラベルを提供しているのは株式会社JTBで、これは利用規約の第1条に明記されています。利用者が結ぶのは「手配旅行契約」で、旅行会社は宿泊サービスそのものの提供者ではなく、手配を引き受ける立場だと約款に定義されています。
予約をやめたときの負担は、宿に払う取消料だけではありません。約款には取消手続料金と取扱料金という旅行会社への支払いも定められています。また申込みの条件として15才未満は保護者の同行が必要で、営利目的での客室利用も条件書で断られています。分からないことの質問先として旅行業務取扱管理者が条件書に明記されている点も、直接予約にはない仕組みです。
※以下はいずれも公式サイトに公開されている書面の記載です。運用や金額は予約内容によって変わります。
予約サイトは1社に絞る必要がありません。同じ宿・同じ日で見比べるのがいちばん確実です。
1. 提供しているのは株式会社JTB
まず運営主体です。利用規約の第1条に書かれています。
「るるぶトラベル利用規約」(以下、「本規約」と言います。)は、株式会社JTB(以下、「当社」と言います。)が提供する「るるぶトラベル」 (以下、「本サービス」と言います。)の利用に対して適用されます。
るるぶトラベル利用規約 第1条
サイト内の「運営会社」リンクの飛び先もJTBの企業サイトでした。契約の相手はJTBだということです。
ここが分かると、問い合わせ先の見当がつきます。予約や契約の条件についての相談相手はJTB、当日の部屋や設備についての相談相手は宿、という切り分けです。名前だけ見て「るるぶという別会社」と思ったまま連絡先を探すと、遠回りになります。
2. 結ぶのは「手配旅行契約」
旅行業約款の第2条に、契約の性質が定義されています。
この約款で「手配旅行契約」とは、当社が旅行者の委託により、旅行者のために代理、媒介又は取次をすること等により旅行者が運送・宿泊機関等の提供する運送、宿泊その他の旅行に関するサービス(中略)の提供を受けることができるように、手配することを引き受ける契約をいいます。
るるぶトラベル 旅行業約款(手配旅行契約の部)第2条
読みどころは「手配することを引き受ける契約」という言い回しです。引き受けているのは手配という行為であって、泊まる場所を提供する約束ではありません。つまり旅行会社が引き受けているのは「手配」で、部屋そのものを提供しているのは宿です。

具体的な場面に当てはめると分かりやすくなります。到着が遅れそう、隣同士の部屋にしてほしい、ベッドを2台にしてほしい——こうした当日の中身に関わる相談は、部屋を持っている宿に直接伝えたほうが早く通ります。反対に、予約の取消条件や支払い方法といった契約の話は旅行会社側の話です。
これはるるぶトラベルに固有の話ではなく、旅行会社を通した宿泊予約に共通する仕組みです。ここを知っておくと、当日に困ったときの連絡先で迷いません。
3. 手配を他社に代行させることがある
当社は、手配旅行契約の履行に当たって、手配の全部又は一部を本邦内又は本邦外の他の旅行業者、手配を業として行う者その他の補助者に代行させることがあります。
旅行業約款 第4条
手配の実務を別の事業者が担うことがある、という定めです。旅行業では一般的な取り決めですが、利用者側の実感としては「間に入る人が増えることがある」と読んでおくとよい部分です。
そのため、直前の変更を予定しているなら、余裕をもって連絡するのが安全です。出発の前日夜に人数を1名減らしたい、といった連絡は、伝わるまでに人手を経る可能性があります。予定が固まっていない旅行では、変更の見込みが立った時点で一報しておくほうが結果的に負担が軽くなります。
4. 手配できなかった場合の「取扱料金」
満員、休業、条件不適当等の事由により、運送・宿泊機関等との間で旅行サービスの提供をする契約を締結できなかった場合であっても、当社がその義務を果たしたときは、旅行者は、当社に対し、当社所定の旅行業務取扱料金(以下「取扱料金」といいます。)を支払わなければなりません。
旅行業約款 第3条
ここは直接予約に慣れていると意外に感じるところかもしれません。宿が満室で泊まれなかったのに支払いが発生しうる、と書かれているからです。理由は第2条とつながっています。契約の対象が「手配」である以上、手配という業務そのものへの対価という考え方になります。
もっとも、これはインターネットで自分で空室を選んで予約する場合の話というより、希望を伝えて探してもらう手配を念頭に置いた条文です。金額の定めは「当社所定」とされているので、実際にいくらかかるのかは予約画面と旅行条件書の記載で確認します。書面に書いてある以上、想定しておく価値のある項目です。
5. 解除したときの負担は3種類
取消まわりは、事前に読んでおく価値がいちばん大きい部分です。約款の第13条第2項に内訳が書かれています。
前項の規定に基づいて手配旅行契約が解除されたときは、旅行者は、既に旅行者が提供を受けた旅行サービスの対価として、又はいまだ提供を受けていない旅行サービスに係る取消料、違約料その他の運送・宿泊機関等に対して既に支払い、又はこれから支払う費用を負担するほか、当社に対し、当社所定の取消手続料金及び当社が得るはずであった取扱料金を支払わなければなりません。
旅行業約款 第13条第2項
一文が長いので、支払う相手ごとに分けて読むと構造が見えます。

解除したときに負担するもの(約款の記載)
(スマホは横スクロール可)
| 負担するもの | 相手 |
|---|---|
| 取消料・違約料 | 運送・宿泊機関等 |
| 取消手続料金 | 旅行会社 |
| 取扱料金(得るはずであった分) | 旅行会社 |
宿の取消料とは別の項目が定められているという点が、直接予約との違いです。宿の公式サイトから直接予約した場合に発生しうるのは宿の取消料だけですが、旅行会社経由では旅行会社側の項目が上乗せされうる、という構造になります。
実際に見積もるときの考え方も書いておきます。宿の取消料は1室あたりではなく、宿泊料金に対する割合で決められているのが一般的です。そのため人数が多い予約・泊数が長い予約ほど、同じ「◯日前」でも金額は大きくなります。4名2泊の予約と1名1泊の予約では、同じ取消日でも桁が変わることがあります。予定が動きそうな旅行では、まず「何日前から発生するか」、次に「何%か」、最後に「旅行会社側の項目がいくらか」の順で確認すると迷いません。
なお金額そのものは予約画面と旅行条件書に記載があります。キャンセル料の仕組み自体はホテルのキャンセル料はいつから発生する?国のモデル宿泊約款と法律で確認で解説しています。
6. 連絡なしで到着しなかった場合は「不泊」の扱い
(連絡がない場合は)お客様により解除されたものとみなし処理されることがあります。その場合は不泊の扱いとして所定の取消料を申し受けます。
国内旅行条件書(手配旅行・インターネット販売用)
「不泊」は、予約した日に連絡もなく現れなかった状態を指します。取消料は日が近づくほど高くなる決まりが一般的で、その中でも不泊はいちばん重い区分に置かれます。

ここは利用者側で結果を変えられる数少ない部分です。交通機関が止まって到着できないと分かった時点、体調を崩して行けないと決まった時点で連絡すれば、少なくとも当日キャンセルの区分で処理されます。行けないと分かった時点で連絡するほうが負担は小さくなります。連絡先は予約確認メールに記載があります。
7. 15才未満は保護者の同行が条件
条件書には申込みの条件がいくつか並んでいます。旅行者側が事前に知っておくとよいものが2つあります。
ひとつは年齢です。条件書には「15才未満の方は保護者の同行を条件とさせていただきます。」と書かれています。中学生の子どもだけで泊まる計画は、この予約サイトでは前提から外れることになります。年齢の線引きが書面で決まっているので、宿に個別に相談する以前の話です。
もうひとつは用途です。営利目的での客室利用は不可とされ、判明した場合は契約を解除することがある、と書かれています。宿泊以外の目的で部屋を使う予定があるなら、事前に確認しておくのが安全です。
未成年の宿泊については高校生だけでホテルに泊まれる?必要なのは保護者の同意書もあわせてご覧ください。
問い合わせ先は条件書に明記されています
旅行条件書の末尾には取扱箇所と、総合旅行業務取扱管理者が記載されています。条件書自体も「旅行業法第12条の4による旅行条件説明書面」と明記された、法律にもとづく書面です。
条件書にはこう書かれています。「旅行業務取扱管理者とは、お客様の旅行を取扱う営業所での取引責任者です。このご旅行の契約に関し担当者からの説明にご不明の点がありましたら、ご遠慮なく上記の旅行業務取扱管理者にご質問下さい。」
聞く先が用意されているということです。しかも「担当者の説明で分からなければ、その上の責任者に聞いてよい」と書面に明記されています。口コミで不安を集めるより、条件で分からないところを予約前にここへ確認するほうが、はるかに確実な答えが得られます。
自分の旅行に合うかどうかの見分け方
この記事で確認したのは契約の枠組みだけです。そのうえで、判断材料になりそうな点を整理します。
| こういう旅行なら | 考え方 |
|---|---|
| 日程が確定していて変更しない | 手配旅行契約の枠組みで問題になる場面は少ない |
| 直前に変更・取消の可能性がある | 取消手続料金と取扱料金の扱いを予約前に確認しておく |
| 当日の相談を宿と直接したい | 宿の公式予約も選択肢に入れて比べる |
| 15才未満だけで泊まる予定がある | 条件書で保護者の同行が条件とされているため、前提から確認が必要 |
予約サイトは1社に絞る必要がありません。同じ宿・同じ日で複数のサイトを開いて、料金とキャンセル条件を見比べるのがいちばん確実です。比べるときは、人数・泊数・食事の有無・部屋タイプをそろえてください。ここがずれていると、安く見えたほうが実は条件の違うプランだった、ということが起こります。
よくある質問
この記事の出典
本記事の引用は、るるぶトラベル公式サイトの以下のページを開いて確認したものです。規約は改定されることがあるため、実際の予約時には最新の記載をご確認ください。
※本記事は公開されている規約の記載を紹介するもので、口コミの検証やサービスの品質評価を行うものではありません。記載に誤りがある場合はお問い合わせフォームよりご指摘ください。速やかに確認し、修正します。


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