翌朝の商談前にシャツのしわを伸ばしたい。部屋にアイロンが見当たらない——出張でよくある場面です。結論から言うと貸出があるかどうかは施設ごとで、全国共通のルールはありません。だからこそ、確認する場所と頼み方を知っておくと早く済みます。
チェックイン後に気づいて慌てる人が多いところですが、実は予約の段階で分かります。どこを見れば分かるのか、そして貸出がなかったときにどうするのかまで整理します。
この記事は、国が示すモデル宿泊約款を確認し、書かれているとおりにまとめたものです。機種ごとの使用時間や温度などは、出典を確認できないため書いていません。
アイロンの貸出も、ズボンプレッサーの設置も義務ではありません。約款11条は施設の営業時間・附帯サービス施設の欄を空欄にして、施設が記入する様式にしています。
あるかどうかは予約ページの設備欄で分かります。「貸出備品」に書かれていることが多い項目です。
なお、ズボンプレッサーはズボンの折り目を熱と圧力で整える機械で、シャツのしわ伸ばしには向きません。火気に関わる備品なので、使い方は施設の利用規則(約款10条)と機種の取扱説明に従ってください。
アイロンの有無は、予約前に設備欄で確認できます。
「あるはず」と思わないほうがいい理由
国が示すモデル宿泊約款は、施設の営業時間についてこう定めています。
当ホテル(館)の主な施設等の営業時間は次のとおりとし、その他の施設等の詳しい営業時間は備付けパンフレット、各所の掲示、客室内のサービスディレクトリー等で御案内いたします。
観光庁 モデル宿泊約款 第11条第1項
この条文には「フロントサービス」「附帯サービス施設時間」といった項目が並んでいますが、時間を書き込む欄はすべて空欄です。国が決めているのは枠組みだけで、中身は施設が埋める——貸出備品もこれと同じ構造です。
設備の有無を国が決めていない以上、「ビジネスホテルならあるだろう」という推測は成り立ちません。同じチェーンでも、店舗によって貸出品の中身が違うことすらあります。確かめる場所は、法令ではなくその施設の設備欄です。
アイロンとズボンプレッサーは別物
設備欄を見るときに混同しやすいのが、この2つです。名前が並んでいても、できることは違います。

| できること | 置き場所 | |
|---|---|---|
| アイロン(+アイロン台) | シャツ・ハンカチなど広い面のしわ伸ばし | 貸出品としてフロント、または客室備え付け |
| ズボンプレッサー | ズボンの折り目を熱と圧力で整える | 客室、または各フロアの共用スペース |
| 衣類スチーマー | 吊るしたまま蒸気でしわを緩める | 置いている施設は限られる |
ズボンプレッサーでシャツを伸ばそうとする人がいますが、挟んで押さえる機械なので、シャツの形には合いません。袖や襟のように立体的な部分は挟めず、かえって変な折り目がつくこともあります。逆にズボンの折り目は、アイロンより手早く整います。目的で使い分けてください。
衣類スチーマーは、ハンガーにかけたまま使えるので手軽です。ただし置いている施設は限られるため、あてにするなら事前に確認が要ります。
加熱時間や設定は機種によって違います。本記事では出典を確認できない目安の数字は書きません。本体か客室の案内に書かれている手順に従ってください。
借りるときの頼み方と注意点

貸出があると分かっていても、必要なときに手元にあるとは限りません。台数に限りがあるのが普通で、朝の出発前は取り合いになります。翌朝使うと決まっているなら、前夜のうちに借りておくのが確実です。
借りたら返却の時間も確認してください。フロントの受付時間は、約款上も施設が定める項目です。深夜は無人になる施設もあるため、返すタイミングを聞いておくと迷いません。
そして忘れてはいけないのが、アイロンは火気に関わる備品だという点です。約款7条1項は、火災予防上必要な禁止事項に従わないときに施設が契約を解除できると定めています。使い終わったら電源を抜く、燃えやすいものの上に置かない——基本の徹底が求められる場面です。
万一、生地や備品を焦がしてしまったら申し出てください。約款18条は、宿泊客の故意または過失で施設が損害を被ったときの賠償を定めています。黙って帰るより、その場で伝えるほうが話は簡単です。
なお、アイロン台がない場合にベッドやテーブルの上で直接かけるのは、備品を傷める原因になります。台ごと借りられるかを最初に聞くのが確実です。
よくある質問
この記事の出典
※貸出の有無・料金・使用方法は施設と機種によって異なります。本記事は個別施設の設備を実測したものではありません。


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